目の前ににおだやかな瀬戸内海が広がる
倉敷市 . 沙美海岸の美しい浜辺沿いに
美術家 . 高橋秀(しゅう)のピンクの自宅と
アトリエがある。
高橋秀は 1930年生まれ
1961年、31才の時に
当時画壇の芥川賞とも言われた「安井賞」を
この「月の道」で受賞するが
なぜか飽き足らず
2年後、33才でイタリアはローマに留学し
そのまま41年間住みついてしまう
言葉も全く通じない根無し草の不安感の中で
ひとりで歩き、見解を広め、悩み抜いて
行き着いた先がこれ
幾何学的なフォルムを
精密に組み合わせることで生まれた
官能的なエロスの世界、、
1972年作の『ヴィーナス誕生』 アクリル 合板 150x175
この不定形のタブローが生み出す
官能的なエロスは
イタリヤの名だたる画商を大いに刺激し
ヨーロッパ、アメリカなどで精力的に活躍する
1970年代には
日本にも逆輸入され高く評価を受ける
2008年の作品 『宙』 アクリル 金箔 125x320(2パネル)
2004年に帰国、 80才の今も
背筋をピンと伸ばし
「金箔は画面に透明感と奥行きを出す」と
その旺盛な創作意欲は変わらない
官能的で、雅やかです
<参照資料: 芸術新潮>