朝、エスプレッソ−を作って
床にこぼしてしまった。
いい匂い、、、
と思いながら床を拭いていた時
つげ義春の「ゲンセンカン主人」が頭をよぎった。
それに続いて、
彼の他の作品の中に出てくるセリフも頭をよぎる。
「そうはいっても(漫画は)、
「漫」の字がついたら、それだけで
もう芸術にはしてもらえんのだよ」
(「ゲンセンカン主人」の一こま。芸術新潮より抜粋)
以前 妹と帰国した際に
納戸といわれる仏壇のある部屋の隅にコレを見つけた。
日本に住む甥のコレクションのひとつ(愛蔵書)だった。
それから毎晩
私と妹はソレを寝る前に読むくせがついてしまい、
妹はゲンセンカンを
無断でミュンヘンに持って来てしまった。
何年かのち
その甥が仕事でミュンヘンに来て
妹の部屋で、「ゲンセンカン主人」を見つけて
「あっ!......こんなところに..」と言って、日本に持って帰った。
ダンディーな甥もソレが必要なのだ。
そして、
「ゲンセンカン主人」は
ミュンヘンの乾いた空気には、なじめないようだった.........